全粒粉を焙煎してうどん作り

全粒粉について

小麦粉は小麦の中心である胚乳部のみを粉にしたものです。色は白く、甘みがあります。全粒粉は小麦を表皮のついたまま製粉した小麦粉です。それゆえに、粉の粒が荒く色もくすんでいます。健康面からすると全粒粉のほうが食物繊維が豊富でミネラル分が多く含まれます。

健康的ならお好み焼き、たこ焼き、パン、うどんを小麦粉でなく全粒粉にすればいいということになるのですが、私たちが慣れ親しんできた白くて甘い舌触りのいい小麦粉を選んでしまうのです。全粒粉は小麦粉より値段も高く、それでいて食べにくいとなると安くて美味しい小麦粉で作ったものになるでしょう。

全粒粉と小麦粉 玄米と精米

私たちが食べるご飯は白く精米されたごはんです。美味しいのですがミネラルは削り落とされています。小麦粉も白くミネラル分は削られています。

玄米はミネラル分も多いのですが食べにくいところがあります。それは全粒粉にも言えることです。精米、製粉技術が進化することで白くて栄養のない食物が主になりました。私たちは食べやすくて甘みのある美味しい食物を好むのでしょう。

これからの食材選びはどうなるのか。売れる商品はどれか。健康面はどうか。すべての人がすべて同じ考えでないのですから、それぞれの人が食材を選ぶのです。

全粒粉とグラハム粉

全粒粉は小麦の表皮や胚乳部をそのまま粉にしたものですが、シルベスター・グラハム氏は胚乳と表皮に分けて、その後で混ぜ合わせるということです。グラハム粉はシルベスター・グラハム氏の名前から付けられています。分けなくてもという気になりますが、胚乳部は小麦粉と同じように粉にして、表皮はそのままにして小麦粉と混ぜ合わせたものです。ですから、より、ざらざら感を感じます。

全粒粉でうどんを作ると

全粒粉100%でうどんを作ると、つなぎが弱いので千切れていきます。茹でるとぷつぷつ千切れ、5㎝前後のうどんになります。確かに、全粒粉も細かくすればできるかもわかりませんが、一般的に千切れていくのが大半です。全粒粉には甘みがあり、塩水で作ると感じませんが、塩を加えずに水のみで加水すれば甘みを感じます。千切れたうどんはごはんと同じようにおかずと一緒に私は食しています。私も玄米を炒って炊き炒り玄米ご飯で食べ、時々この千切れうどんを食しています。間違いなく美味しいですがうどんという商品にはなりませんね(笑)。

全粒粉100%うどん

上の写真は全粒粉100%うどんですが、箸で持つと千切れていきます。それでも、まるでご飯のようにおかずと食せます。塩水でなく水のみで作ると甘みと味がわかり美味しいです。

 

多種多様な全粒粉

小麦粉にもいろいろあるように全粒粉といっても多くの全粒粉が売られています。小麦が違えば全粒粉の味も変わります。もう一つ、粒度の違いによっても変わるのではないかと思っています。特に、全粒粉は表皮も含まれるので粒が荒くなります。また、製粉方法も石臼挽きが大半で細かくできないのかもわかりません。そこは製粉技術者にしかわからないことですが、幾つもの全粒粉で試してみましたが100%の全粒粉で作るのは、とても難しいです。ある全粒粉は100%でもつながったうどんになりましたが色も薄く、のど越しも他の全粒粉とは異なる感じがしました。うどん作りには、このような全粒粉がいいと思うのですが、私的には物足りなく、100%の全粒粉は千切れるのが当たり前だと思っています。

全粒粉を焙煎する

全粒粉を焙煎すると小麦の香りが部屋中漂いますが、あまり強火で焙煎すると焦げ臭くなります。また、うどんの仕上がりは苦みを感じます。焦がさないように焙煎することがコツともいえるようです。

全粒粉入り焙煎うどん

全粒粉をうどんにすると、千切れていくのは当然です。80%でも箸で持てば千切れることがあります。大体60%が限度ではないでしょうか。

全粒粉を焙煎すると60%では作りにくく、それ以下になると思います。健康的にもよく、それでいて美味しいうどんを考えています。焙煎の度合いによっても全粒粉を入れる割合によっても、うどんの色が変わります。うどんに伸びがあるかどうか、のど越しがどうかを見極めています。全粒粉は、どうしてもざらざら感があります。のど越しが悪くなるので感じない程度が必要だと思います。

全粒粉うどん

 

のど越しよく小麦の味がする全粒粉入り焙煎うどん

うどんは、やはり、のど越しです。全粒粉を入れすぎると、食物繊維は多くなるけれど、のど越しは悪くなります。のど越しもよく、小麦の味がするうどんをと考えると全粒粉の割合を考えてしまいます。

5%以下なら、全粒粉を入れたかどうか感じないようです。といっても黒い粒が見え、色も違ってくるのでわかります。10%になると、ずいぶん、のど越しが違ってきます。色や味で、全粒粉入りうどんとわかります。30%なら美味しくいただけれると思うのですが、人には好みがあり、20%の全粒粉を混ぜることにしました。

のど越しを考えると塩でグルテンを引き締めることを考えるのですが、うどんの花里は塩を少なくする方法をとりました。そのほうが全粒粉の味がわかると考えたからです。塩を多く入れると塩で全粒粉の味が消えてしまいます。健康にも、そのほうがいいと思いました。

のど越しをどうするかということですが、どうしても全粒粉を加える以上、仕方のないことです。そこで考えるのは生地の表面を、ある程度綺麗にすることだと思いました。生地は木やガラスのように固くないので平らにすることはできませんが、凹凸があっても表面は磨くことができると考え、生地への磨きを工程として取り入れています。これを証明する科学的な知識を持ち合わせていないので何とも言えませんが、手触りと食して感じるという経験で思うのです。

うどん用の小麦粉

うどん用の小麦粉

うどんに使用する小麦粉は、一般的に中力粉とされ、パンは強力粉、天ぷらは薄力粉と分けられます。タンパク量によって用途別に分けられています。確かに、そうですが決まりはありません。

 

さぬきの夢の変遷

香川県では地産地消ということでさぬきの夢2000が品種改良されました。当時、香川のうどん屋さんででさぬきの夢2000使用とのれんを出したり、宣伝され一般の方でも小麦粉の品種を知っているというくらいです。実は私の店もさぬきの夢2000を使っていました。タンパク量が低かったのかどうかわかりませんが、麺棒でのしていたら端の方が千切れたことがあります(笑)。各店も扱いにくい小麦粉だと言われていました。次に出たのがさぬきの夢2009です。確かに千切れることはなかったです。それからしばらくたって統一名称にしたようでさぬきの夢というようになりました。この小麦粉は香川県しか栽培できないようになっています。

香川も外国産が多かったのですが、このさぬきの夢が出たおかげで地産地消につながり、さぬきの夢使用店と宣伝されてきました。と言っても小麦粉が変われば味が変わると、そう簡単には小麦粉を変えるわけにはいきません。小麦粉はうどんにとって大切な材料です。私は、現在さぬきの夢の石臼挽きを使用しています。この小麦粉を煎ってから使用しています。

 

日本の小麦粉

日本は北の北海道、本州、四国、南の九州と並び、小麦粉を見ると、北海道はホクシン、きたほなみ、本州では東北地方で南部小麦、ネバリゴシ、関東では農林61号、あやひかり、中部はシラネ小麦、イワイノダイチ、四国でチクゴイズミ、香川がさぬきの夢、九州はチクゴイズミ、シロガネ小麦が主です。

ところが関東地方で農林61号からさとのそらという品種に変わるような感じです。農林61号は支持されてきた小麦で収穫量も多かったと思うのですが、さとのそらが平成20年に品種登録され、病害虫や倒れやすい農林61号から移行するようです。

 

低アミロースか 通常アミロースか

うどんの食感で粘弾性とか、つるつる、なねらかさなどに関わる小麦粉といえば低アミロースの小麦粉です。東北ならネバリゴシ、中部でイワイノダイチ、あやひかり、九州はチクゴイズミとあります。関東のさとのそらは農林61号と同じ通常アミロースだそうですが楽しみです。小麦粉は、これからも品種改良され、うどんの味も変わる宿命にあるようです。

 

うどん作りのための小麦粉

うどん打ちに使う小麦粉

 

タンパク量で小麦粉が変わる

小麦粉は小麦でできているのですが、この小麦粉の中にも、薄力粉、中力粉、強力粉とあります。この分け方はタンパク量で少ないと薄力粉、多いと強力粉、その間が中力粉です。料理で薄力粉は天ぷらに適し、中力粉はうどんに、強力粉はパン作りに向いています。小麦粉の特徴はグルテンです。水で捏ねるとグルテンが形成されます。このグルテンを多くしょうと思えば強力粉がいいでしょう。

灰分で味が変わる

灰分とは小麦粉を燃やした時に小麦のミネラル部分が灰になったものです。外皮に近いほどミネラルがあり灰分の量は多くなります。灰分の数字が少ないほど一等粉になり上級の粉です。うどん作りはタンパク量もそうですが、灰分も考えていく必要があります。

全粒粉は外皮も含まれるので灰分は高くなります。この全粒粉でうどんを作ると、表面がザラザラでつるっととはいきません。喉越しが悪くなります。でもミネラルや食物繊維が多く栄養があります。うどんの色も灰分が少ないと白く、多くなるほど色がくすんで茶色く見えます。

 

うどんに使う小麦粉

薄力粉、中力粉、強力粉でもうどんはできます。一度、作ってみておいしければ、その小麦粉が作った人の好みに合っているということでしょう。ただ、他者が食すと、どう感じるか、わかりません(笑)。私は薄力粉、中力粉、強力粉もうどんを作ってみましたが美味しかったです。私は、小麦粉の品種にこだわるようです。もちろん、農薬を考えると外国産小麦粉は使用しません。国産小麦粉しか使いません。私の思う小麦粉は、だいたいですが日本の九州地方のような西側で作られた小麦粉はもちもちした食感があるような気がしています。喉越しの良さは北海道に近い地方がいいように思います。これは私だけの感じ方です。

また低アミロースの小麦粉が美味しく感じられます。これは言えているかなと・・・。まあ、自分にあった小麦粉を探すことだと思います。人それぞれ、作り手それぞれの味があるのがいいのではないでしょうか。

品種ですが北海道産では「ほくしん」、群馬が農林61号、香川産ではさぬきの夢、九州産ではチクゴイズミが代表でしょう。私は三重県産の「あやひかり」を使用しています。そこに香川県産の石臼挽きさぬきの夢をブレンドしています。うどん作りを始めたころから青森県産「ネバリゴシ」を使用していました。私は、この小麦粉が一番と思っていました。ところが、うどん屋を始めて試食の時に固いといわれて悩み、結局、あきらめて「あやひかり」に変えました。私が良くても一般向けにはダメなのでしょうかね??といっても10年たった今、岩手県産「ネバリゴシ」を購入しました。再度挑戦したいと思っています。

 

製粉技術による小麦粉

人間は小麦を育て小麦粉にかえました。昔は機械がなくて石臼で挽いていたのでしょう。また、小川の近くでは水車を利用して水車挽きで小麦粉を作っていました。それが機械に変わると、小麦粉が変化しました。小麦粉の表皮は飛ばして、胚乳と言われる中心のみを取り出すのです。色は白く、細かく、甘みのある小麦粉です。

昔の小麦粉は小麦の香りがするといわれていました。本当かどうかはわかりませんが(笑)、それにミネラル分が多く、栄養があって、食物繊維が多いというのはわかります。

 

作ってみてわかる小麦粉

ごちゃごちゃ言っても、作ってみないと、わからないのがうどんです。ただ小麦粉は25kgで一袋になって売っていることが多いので、それがネックですね(笑)。そう簡単に、注文できませんね。食べきれませんよ。小麦粉を一つに決めてするか、ブレンドするか。これも楽しみの一つです。いろんな小麦粉でうどんを作ってみること、それしかありません。近道はないですね(笑)。