うどん作り 足踏みと寝かし

うどん打ちで足踏みと寝かしについて

足踏みと寝かしについて述べますが、この二つの工程を関連付けて考えてみることにします。

足踏みについて

粉から粒状になったらビニール袋の上から足踏みをします。手でこねてもいいのですが、力のいる大変な作業です。足のかかとが人間は二足歩行をし、あおり動作を行い、地面に踵でついて足の指で蹴ります。踵が一番固いのです。その踵を使い、また両手を後ろで組めば自然と踵に重心がいきます。

踏んだ生地をもう一度、ロール状に巻いたり、折ったりしてまた踏みます。これを何回か繰り返します。そうしながらグルテンが形成され、だんだんと足で踏むのも力がいるようになります。さて、どこで足踏みを止めるか。これは人それぞれです。自由なのです。私は、足で踏むのに力がいるようになればやめています。生地も、曼荼羅模様から(笑)、きれいな感じになっています。

 

寝かしについて

その次の工程が寝かしです。生地に空気を触れさせず、乾燥させないようにビニール袋で包みます。うどん打ち体験では時間がないので15分しか寝かせていないのに、足で踏むと柔らかくなります。体験者は必ず、びっくりされるぐらいです。本来の寝かしは2時間以上とされています。私は冷蔵庫に入れて1日置いています。

 

足踏みと寝かしの関連性

小麦粉で作った生地はグルテンが形成され、グルテンの力が働きます。グルテンは足で踏むことによって鍛えられるのです。小麦粉ならではの性質です。足で踏んでいくと、踏んでも伸びないような感覚がわかると思います。踏めば押し返すような力が働いているのでしょう。最初は踏めば伸びていたのが、踏んでも伸びにくくなるのです。

この生地を寝かさずに麺棒で伸ばそうとすると、力を入れて伸ばしても、縮む野がわかると思います。伸ばせば縮む力が可逆的に生まれるのです。この可逆的な力がうどんの特徴であり、小麦粉の特徴なのです。この可逆的な力を静める様にするのが寝かしの工程だと私は考えます。寝かし過ぎると、元に戻る力がなくなるダラーンとなります。寝かしが弱いと作業がしにくくなります。小麦粉は二八蕎麦でもわかるように繋ぎの役目を果たしています。うどんののど越しの良さを感じるのはグルテンの持つ特徴を表現させているからだと思います。寝かしは寝かし過ぎず、また寝かさないものもだめです。せっかく足で踏んだのですから、その分寝かせてあげないと作業がしにくく、寝かし過ぎても伸び切ってしまったりするのです。

足踏みは何回すればいいのか、時間はどれくらいかなど私は神経質にならなくてもいいと思っています。押せば返す力を感じ、寝かしは二時間から一,二日までぐらいだと思います。二泊三日はだれてしまうでしょうね。まあ、冷凍とか(笑)、熟成庫とか考えればできるかもわかりませんね。これらは私の経験からであり、これが正しいとは言えません。

うどん作り 水回し

うどん作りにおける水回し

うどんは塩水と小麦粉でできています。水の中に塩を含み、10%の塩水だと水90%の塩10%になります。もし5%の塩水だと、水の量が10%の塩水より多くなります。ですから塩水の濃度によって塩水の量は変わってきます。また小麦粉にも約14%ぐらい含まれているようです。ですから小麦粉の違いによっても加水率は変わってきます。

小麦粉は塩水を加えないとグルテンはできませんし、混ぜないとできません。そこでどのくらい混ぜたらいいのでしょうか。これが知りたいところですね。一般的に50%と言われています。これはあくまで目安です。季節によっても変わるし、小麦粉に含まれる水分によっても、塩水の濃度によっても変わってきます。ですから、簡単に50%とは言えません。微妙な違いがうどん作りに影響してきます。また食する人の美味しいという判断によっても変わります。私にはわかりませんが、加水を多くする方が美味しいとも言われています。これらのことをふまえて水回しを私なりに述べてみたいと思います。

 

粉から粒へ

粉と粒の違いを考えてみます。粉は小麦粉本来の水分を含んだものです。それをグルテンが形成されやすくするのに塩水を使います。塩はグルテンを引き締めてくれる役割も持っています。塩水がないとグルテンはできません。粉ではできないということだと思います。粉から粒の状態にすることです。粒は粉同士がくっついてできたものです。もう簡単には粉の元の状態には戻れません。水回しは塩水を加えて、多いからと言って減らすことはできません。ですから、50%に近くなれば慎重にすべきです。時には44%のときもあり、時には55%の時もあります。水回しは粉から粒へと変化させることにあります。ですから、このときに力を加えてしまうとグルテン形成がされ大きなボール状になってしまいます。そうなるとムラが出来て粉の状態のところと水分を多く含んだところが出来てしまいます。要は全体に塩水を行き渡らせるということです。

 

塩水の加え方

塩水の加え方も色々です。塩水をいっぺんに入れるやり方もあり、私のように、最初に半分ぐらい、そして徐々に加えていくというやり方もあります。これから述べるのは私のやり方です。

最初に加える量は半分塩水を入れて、力を入れずに水のほうへ小麦粉を被せるような感じで混ぜていきます。小麦粉の方が塩水より多いので、そう簡単に塊はできないでしょう。ここで全体に塩水が行き渡るように混ぜます。粉っぽさから、少し水分が含まれているような感じになります。塩水を含むと小麦粉の色も白色から、黄色っぽくなります。水分を含んでくると小麦の色が変化します。

徐々に加えていき、少しつまんで耳たぶぐらいの柔らかさとか、オカラ状になったらいいとかいわれます。これはあくまで参考に・・・。私にはわかりません(笑)。私は下から救うと、指先にザラザラというような感覚を感じて終わっています。

水回しはわかっていても難しいと思います。水回しがうまくいけば、後の作業もやりやすくなります。生地が柔らかいと打ち台や包丁にくっつきやすく、固いと麺棒でのしにくくなります。

 

うどんの花里の場合

うどんの花里は小麦粉を煎ってから作っています。小麦粉に含まれる水分を飛ばしているので、加水率は多めになります。小麦粉の煎り方によっても加水率が変わるので難しくなります。小麦粉の色も茶色っぽく、そんなに変わりませんが、苦み、香ばしさがあると思います。

うどん作りのための塩水

うどん作りにおける塩の働き

うどんは塩と水と小麦粉でできています。味噌煮込みうどんというのは鍋の中で生うどんを煮るので、塩を入れると汁が塩辛くなるので使いません。塩水で混ぜた生うどんを茹でると、茹で汁に塩が出ていくのがわかります。塩辛い塩水で捏ねても茹でると、ある程度、塩味は残りますがうどん自体は塩辛くはありません。少し、塩味がする方が美味しき感じます。

 

昔から塩水で作っていたうどん

土三寒六常五杯といわれ、夏は塩1に対して3の水を入れ、冬は塩1に対して6の水を入れます。春秋は、その間の量を使っていました。当時の塩と現在の塩とは異なるそうで、とにかく夏は暑く、ダレることがあるのと、腐敗することを防ぐ働きを塩はしてくれます。

塩は、どんな塩がいいのかと言われると自然塩でしょう。当然、使ったことないけれどアジシオはダメだと思います(笑)。粗塩で海水で作った塩を私は用います。

 

塩水の作り方

塩を水で溶かす度ですが、塩を多く入れすぎていくと飽和状態になり、水に溶けない塩が出来ます。やり方として、その飽和状態の塩水を水で3から6倍に薄めていくという方法もありますが、水90で塩10なら10%の塩水が出来ます。もちろん、私は、その方法で作っています。

塩水は継ぎ足していくので塩分濃度が微妙に変わるかもわかりません。ですから、私はボーメ計で計っています。

ボーメ計

 

 

塩水の濃度はどのくらい

塩水の濃度はどのくらいと言われても難しいですね。人それぞれ、塩分濃度は違うでしょうね。まあ、0%から15%の間がいいということだと思います。まったく塩を入れないと、うどんの味がもう一つかな・・・。少し塩味を感じるうどんが美味しいと私は思います。塩分が取れない人なら入れない方がいいでしょう。それでもできます。

あまり、入れすぎると塩が残りすぎます。多くて12%ぐらいがいいのではないかなと思います。だいたい5%から作ってみて、どの塩分濃度の時が美味しいかを経験してみることでしょう。

そして、塩の働きで、もう一つ、茹でる時間ですが塩を多く入れると、茹で時間は、多少短くなります。塩が溶けて茹で水が入るからです。

1年を通じて塩加減は変わります。その時は良くても、その次、作ってみると変わることがあります。うどん作りは難しく、変化するということです。一番作りにくいのは夏です(笑)。私は夏が嫌いです。うどんがダレてしまいがちです。クーラーをつけると乾燥が早くなり、これまたよくありません。

こう思うと、うどん作りは1年を通じて作らないと、わからないということです。塩水を作るのも自然と向き合わないとわからないのです。自然を知るということが大事になってきます。

うどん作りの工程を考える

讃岐うどん作りの基本的工程

うどんを作るにあたって材料は小麦粉、塩と水のみです。この三つのみの関係ですが難しいのです。三つの材料に環境が関わってきます。春夏秋冬など、その日の環境によってうどんは左右されます。それらを考えず工程を見ていくと、塩水を作ります。小麦粉と塩水を混ぜます。次に足で踏みます。団子状の生地を寝かします。寝かした後、足で踏んで麺棒で伸ばしやすくします。そして、麺棒でのして包丁で切ります。これが基本的な工程です。

材料について

小麦粉は薄力粉、中力粉、強力粉とタンパク量で分けられます。薄力粉は天ぷら、お菓子などに、中力粉はうどん、強力粉はパンに使われます。どの小麦粉を使ってもうどんはできます。一般には中力粉とされています。塩は粗塩でいいと思います。食塩はダメです。水は美味しい水で軟水が適しています。

工程について

小麦粉と塩水を混ぜて水回しをしてから、オカラ状、粒状になったところで足で踏みます。足で踏むとグルテンが出来て、何回か踏むとなかなか伸びないようになり、踏むのに力がいります。踏み方や回数は自由です。手で揉んでもかまいません。丸い団子状にして寝かすのですが、寝かし時間も自由です。讃岐うどんでは2時間以上と言われています。もちろん長く寝かせていると腐敗することもあるので、まあ、そこまで寝かす人はいないだろうと思います(笑).

次に、団子を麺棒で伸ばすのですが、伸ばし方も自由です。うどんの幅は、約3ミリぐらいと言われていますが、多少の太い、細いはかまいません。

のした生地を包丁で切るのですが、小間板を使ってもいいし使わなくてもいいです。麺切りの道具を使ってもかまいません。

深く工程を考える

うどんを作る工程を、簡単に述べさせていただき、その工程を、もう少し深めてみたいと思います。

水回しで変わる小麦粉

水回しの後、足踏みに入る前に、寝かせることも可能です。その方が馴染むかもわかりません。小麦粉から塩水を加えていき、塩水の量と人が手で混ぜることで粉から粒になります。もう粉ではなく質的に変化しています。混ぜ方は小麦粉全体に塩水が行き渡るように混ぜます。

粒状から団子状に

次に足踏みですが、これも粒状から生地へと変化し質が変わります。生地にすると粒には戻れません。ましてや粉にも戻れません(笑)。塩水の加減によって生地の質が変わるので、加水率と言われ、この塩水の加減というのが難しいのです。生地は足踏みしても、折り重ねたところが残り層のようになっています。粉から粒になるのは目で見ればわかるのですが、生地の変化といえるグルテン形成は見えません。足で踏めば踏むほど生地の内部はグルテンが形成されていき、足の裏の感覚でわかるのです。このグルテン形成が小麦粉の一番の特徴と言えるでしょう。これこそ、うどんのもとなのです。蕎麦はそば粉、うどんは小麦粉で作るのです。

寝かしで変わる生地

強靭なグルテンが形成されて寝かしに入るのですが、また、ここでも生地の内部で変化が生じます。寝かすことによって生地が柔らかくなるような、弾力が出てきたような・・・。寝かしによっても生地に質的変化をもたらしているのです。

麺棒の面白さ

麺棒ののし方でも二通り考えられます。一つは麺棒に生地を巻きつけて伸ばす方法で、早く伸ばせます。もう一つは生地の上に麺棒でコロコロ転がして伸ばす方法です。さて、どちらが美味しいうどんになるでしょうか(笑)。試してみてください。私は、これをヒントに磨きを工程に入れています(笑)。

のし台、生地と麺棒がくっつかないように打ち粉を振ります。打ち粉は小麦粉、片栗粉、コーンスターチ、加工でんぷん、米粉などがあります。私は米粉を使用しています。

包丁切りは経験すればできるようになるでしょうから述べません。ただ、麺の太さによってうどんの味が変わります。太い麺が好きな人、細麺が好きな人と、もう答えはありません。でも、このうどんの幅でも悩んでしまうのもうどん作りです。

うどんに創意工夫を

以上工程について述べさせていただきましたが、自由ということを強調させていただきました。今のうどんが一番だと思うと、そこまでです。うどん作りは自由であり、創意工夫によって味が変わってきます。うどん作りの楽しさは、そんなところにあるのではないでしょうか。

保育士25年務めて 今はうどん店

人生どうなることやら保育士からうどん店へ!

若いころ、落語家桂枝雀さんのところへ弟子入りしようと昭和52年2月4日、北御堂会館にて南光さん(当時べかこさん)が受付におられて枝雀師匠に会わせていただき履歴書とゼミの推薦書を渡して弟子入り志願へ・・・。枝雀師匠は「君みたいなん初めてやなぁ。うち、会社ちゃうでぇ。」と言われた。なんやかんやと聞かれ「ほかにすることないんか、落語でつぶしは効かんさかいに」、私が言わんでもええのに、福祉関係も・・。「先それしてから来い、いつでも待ってる。6年後来い。」と言われ、福祉関係の保育士に(笑)。

楽しい保育士でしたが(笑)

これが人生の分かれ道でした。いざ、保育園に努めると新鮮で楽しかった。子どもの発達が、実に面白く、書物を読んだりして保育漬けになりました。

ただ職員会議で、一転暗闇の世界へ(笑)。職員と園長のずれ、そんなん決まってなかったと職員。園長は子どもにとっていいことだからやろうと・・・。組織の中での人間関係が、まるでドラマを見ているような(泣)。今まで人を信用してきた私が人を疑うことを始めました(笑)。

長い物には巻かれよ、朱に交われば赤くなるということわざがありますが・・。政治の世界を彷彿させるかのようなドラマが目の前に・・・。良いことと悪いこと、多数派と少数派、この関係は何ぞや!

良いことが多数派とは限りません。悪いことは少数とも限りません。良いことが少数派で悪いことが多数派もありうるという人間関係。まともに考えるとノイローゼになりそうな・・・。保育士時代、結局人間関係に悩まされ、組織という器の中でうごめく力関係にうんざりしてしまいました。子どもと接する時間だけが、実に楽しく面白かった。子どもはどう育つのだろうと考えると・・。子どもたちにはいい仕事についてほしいと・・。それを願うばかりです。

保育士からうどん店へ

2001年香川県で全国男性保育者研究・交流集会に参加し、うどん実践を受け。講師は久保の店に所縁のある男性保育士久保さんで小麦粉から生地を切って食すまでを教わり、その作ったうどんが美味しかった。

保育園で二週間に1回ぐらい子どもたちとうどん作りを保育でしました。そうこうしているうちに、まさかのうどん屋へ転機に・・・。

まあ、桂枝雀さんもいないので落語家にはなりたくなかったのでうどん屋へ・・。私は落語が好きでなりたかったのかというと、桂枝雀さんが好きだったからなりたかったのです。

どろだんごとうどん作り

どろだんご

保育園でどろだんごを子どもと一緒に作り、どろだんごが光るとうれしいものです。このどろだんご作りにうどん作り同様、塩水でするとどうなるか(笑)。ただ乾くとどろだんごの表面が塩の白いものが浮き上がりました。

また、どろだんごを陶芸の方に焼いていただくと赤くなりました。それは鉄分が土に含まれているからだそうです。表面はひび割れバリバリでした(笑)。まあ、これは想像していた通りになりました。やはり、空気が含まれていたからでしょう。

私は、どろだんご作りとうどん作りを比較し、どろだんごの技がうどん作りに生かされないかと、常に考えていました。どろだんごを水で捏ねる場合とうどんを塩水でこねる場合も共通点や違いを考えていました。どろだんごは多加水で水を絞るぐらい加え、土をまぶしながら水を抜いていきます。うどんは小麦粉と塩水の加減が大事で、この加水率が難しいのです。そして、どろだんごとは反対に塩水を抜いていくとダメで乾燥が敵です。塩水を含んだうどん作りをします。どろだんごもうどん生地も空気を抜いて作ります。空気の抜き方がまずいと、生地を麺棒でのすとき、ぷくっと空気の山が出来ます(笑)。

打ち粉とは。うどん作りにおいて麺同士がくっつかない、生地と打ち台がくっつかない、あるいは包丁と麺がくっつかないというように役割を果たします。私は、磨くために小麦粉、打ち粉に米粉を使用して、磨きと打ち粉の役割を明確にさせて作ります。

過程の中に発達がみえる

保育では子どもたちの発達は自然と人とのかかわりの過程にあるます。量から質へと移行する段階に発達がみえます。そして。もっと言えば、量においても発達がみえるということです。量をどのように重ね合うのか、そこにも発達がみえるはずです。うどん作りも同様です。小麦粉から塩水を加え、粒状になり、やがて生地になります。生地の外部から足で踏まれ(笑)、グルテンが形成され、踏む量にも発達が隠れているのです。私たちは見えるものには敏感ですが、見えないものには鈍感なのです。

ですから、見えないといっても自然と人とのかかわりにおいて、肌で感じるということ、あるいは、そうかもしれないという感受性が必要なのだと思います。

仕事と位置づけて働いた保育士時代、今は趣味です。保育士時代にしていたうどん打ちは趣味で、今は仕事です。仕事と趣味、私にとっては自然と人とのかかわりあいに過ぎないのです。