創意工夫ができる「どろだんご作り」

どろだんご作り

光るどろだんごというものがあるというのを知ったのは、35年前神戸から来た保育士が私に教えてくれて、そこから私も保育園でどっぷりつかり作り出しました。落としても割れない頑丈玉と光るどろだんごとがあり、これは一緒のだんごを言っているのかわかりませんが、光るどろだんごに取り組みました。ひび割れることが多く、ひび割れない工夫を繰り返して作ったことを覚えています。加用氏が泥団子の作り方をNHKで放映されてからブームになった感じですね。

今日、どろだんごには、いろんな作り方があるようです。私は自然の材料で作るのがいいと思っています。また、壊れてもやり直せるということが大切だと思います。保育園の幼児は水で遊ぶのが好きで、少し暖かくなると水を足にかけたり、水たまりを作ったり、どろんこになって遊びます。そういう時期からどろだんご作りが始まります。

 

土は園庭の土で作れますが掘ると穴ができたり危ないとか衛生上どうかとなれば買うしかありません。ホームセンターに行けば山土、真砂土、荒木田土など売っています。以前、山土が売っていたのですが今はなく、真砂土しかありませんでした。なかなか今は土も手に入らないようで(笑)。

保育園児の二歳児ぐらいまでは水遊びや泥んこ遊びに夢中になり、ごっこ遊びでお椀に泥を入れたり、ひっくり返してプリンを作ったりします。3歳児ぐらいから泥団子を作ったりしますが、なかなかうまくいきません。4歳児クラスでは光る子もいます。年長さんの真似をして上手にどろだんごを作り出します。さすが、年長さんになると光るどろだんごを作れるようになります。

 

どろだんごづくり

 

どろだんごの球形を作るには粘土質のような団子だと変形するのでひび割れたりします。粘土質でも水分を飛ばす方法だとできますが、やりやすいのは土と砂を混ぜて球形にしても変形しないような泥んこでするのがいいと思います。でも主体は子どもですので自分で考えて何回も繰り返す根気も大事です。

どろだんごづくりは「光る」という魅力に惑わされているような気が私はしています。確かに「光る」というのはいいことですが、どろだんごづくりには乳幼児の発達に欠かせないものがあります。

ねらいは光るどろだんごづくりだけでおさまらないのがどろだんごづくりです。体で加減を理解し、何回も失敗して作る根気、創意工夫ができるどろだんごづくりは、自然を知る大切な遊びです。

 

 

 

模倣による「どろだんごづくり」

子どもは模倣の天才です。模倣によって学ぶ子どもたちです。どろだんごづくりで子どもたちの中で、私の前に座ってどろだんごを作っている子がいました。その子は私の真似をするのです。私がどろだんごに土をまぶすと、その子もします。私が立てば、その子も立ちます。かゆくて頬をかけば、その子もかきます(笑)。そこまで真似されるとかなんなあと思いましたが、なんと、その子は4歳児でしたが光るどろだんごを作りました。模倣によって学ぶ大切さが重要で、言葉でまくし立てても難しいこともたくさんあります。乳幼児期は模倣が教師といえるでしょうね。

 

水と土と砂で作るどろだんご

光らせるには細かな土がいいと思い、粘土質の土で作ると形が変形してひび割れがいきます。かといって砂では作れません。土と砂が混ざり合って固い球形ができます。また、水はたっぷり土に含ませて土の中の空気を抜きます。そして、手ですくって作りたい大きさにして水を絞ります。すぐにぐちゃっとなるのは砂が多く土が少ないからまとまらないのです。グニャグニャと変形するのは水が多いか、粘土質が多いからです。

 

光る泥団子

 

球形を光らせるのは難しい

地球には重力が働いているので、泥んこを球形にするには、やわらかい泥だと下ヘタレ下がりできません。ある程度丸く持ちこたえれる柔らかさでないと無理です。また変形するとひび割れが行きます。

年長さんなら、これらの問題を乗り越えようとします。よく2,3歳児がおもちゃのカップに泥をいっぱい詰め込んで、上部の口のところへ土をまぶしていくとカップに詰め込んだ口の上部がきれいに光りだします。言いたいことは、カップなどの固定されたものだとひび割れずにできます。

2歳児は「はい」と「いいえ」の世界で、どろだんごではまぶしてまぶすことをしてしまいます。両手が、まだ協応せずに落としたりします。3歳児ごろになると似たものを作ろうと思い、真似をして作ります。それでも、なかなか難しいようです。

4歳児ごろになると手の協応動作も上手になってきます。左手がパーなら右手はグーと交互に開いたり閉じたりできます。一つは手の器用さが大切です。そして、もう一つは、「だんだん強く」や「だんだん弱く」という関係を理解することです。力の加減が泥団子づくりには必要です。

 

どろだんごづくりの加減について

どろだんごづくりをしょうと泥を手に握ると、その感触は独特なものです。足で水たまりをパシャパシャする感触も面白いものです。子どもはいろんな経験を重ねて考え出します。同じことをしているようでも同じでないのです。量的に同じことをしている中で質的なものに気づきます。

私がどろだんごを作った時でも、すぐにできたわけではありません。何回も繰り返して作りました。ひび割れたときは何故なのかと考え、今度はこうしてみようとやりだします。創意工夫だ大切だと思います。

4歳児クラスで、秋にサツマイモの収穫をして大きい順に並べようとすると子どもたちは知っていて、大きい順に並べてくれます。「だんだん大きく」という加減を理解しています。どろだんごは、急には変わらないのですが、だんだん変化してきます。急に変化を願い、土を振りかけまくるとひび割れる原因にもなります。少しづつまぶすという加減も大切です。粘土質は握ると変形するので子どもには難しいと思います。土と砂を混ぜて、なるべく握っても変形しない塊を作ればひび割れは、ある程度防げます。この塊に土をまぶして水分を抜き、表面をきれいにします。この時もまぶしまくると柔らかい表面ができてしまいひび割れの原因になります。まぶしては土を落としていきます。この繰り返しで、団子の表面が「だんだん綺麗」になってきます。まぶしてはこするのです。最初はやさしくこすり、表面が変化するのを見て、「だんだん強くこすり」ます。

スポーツをするにしても、料理をするにしても「加減」が大切だと思います。「さじ加減」「手加減」「ええ加減」と加減を考えれるということは大切だと思います。

 

どろだんごの作業について

どろだんごは中の水を抜いていく作業のように思えます。材料に湿った土のほかに乾いた土が必要になります。私は風が吹いているときや湿度の低いときのほうがやりやすいと思います。ただ乾きやすいのでひび割れが行きやすいということもあります。球形の水分を含んだ固い塊の上に細かな土をまぶしていくと、そのまぶしたところは柔らかく水分がしみ込んでくるとひび割れたりします。まぶしてまぶしてしまうとひび割れが起きてきます。いかにして中の水分を抜くかに、どろだんごはあるような気がします。これらは私の作った経験からであり、本当かどうかは定かではありません(笑)。暑い夏に園庭でどろだんごを作るということはしないでしょう。熱射病になります。保育園では夏場プールが始まります。園庭には乾いた土がありませんでした。夏場、湿度が高くじめじめした感じで乾いた土が園庭には見当たらなかった思い出があります。どろだんごを作るには、それなりの周りの環境が必要です。自然の中で子どもたちが遊び、楽しむ姿は成長発達に欠かせないものだと私は考えます。人は自然の中で育ち、その環境を作り替えていくのも人間です。水と土に親しみ太陽のもとで遊ぶ姿が子どもを発達させてくれる感じです。

 

土台作り

ぎゅっと握って水と空気を抜き球形になると、その形を維持しながら、少しずつ、同じような乾いた土を振りかけて、手の平で転がし大きな粒は削り落としていきます。すぐに光らそうと細かな土を振りかけるとひび割れが行きます。固い土台ができるまでは根気よく、少しずつ同じような荒い土から振りかけて徐々に細かな土をかけていきます。ごみや大きな石があれば、早い目に取り除きます。ゆっくりと中の空気を抜く感じで、両手の中で転がしながら丸い形を作っていきます。両手を広げて作っていると両手の間から抜けて落とすことがあるので両手を近づけて落ちないようにして転がします。当然、水分の関係でどろだんごの球形が大きいとひび割れたり、出来上がりが長くなります。最初は小さめのどろだんごから始めるといいと思います。

ある程度、固くなり表面の凸凹も少なくなってきたら土台が出来上がり、その表面の上に細かな土の層を作って光るどろだんごを作っていきます。

 

 

光るどろだんご

土台を作った上に、今度は乾燥した細かな土を振りかけていきます。何回も細かな土を振りかけたいのですが、そうすると柔らかな層が出来てしまうので中から水を含むとひび割れてきます。ですから、まぶしては転がして細かな土を振り落とす感じです。それでも細かな土は土台に付着しています。何回も、まぶしてはこすり表面を綺麗にしていきます。1時間ぐらいすれば、振りかけた土が団子に乗らず落ちていくようになります。

 

どろだんご

 

その後は本当に煙のような土を手の平につけてこすりつけるようにします。どろだんごの水分がなくなり、綺麗になればジャージのような布でこすって光れば出来上がりです。年長の子どもたちは、いろいろ工夫します。よくするのがレンガをこすって粉にしたのを使ったり、びっくりするのは石をこすってする子もいます。これには驚きました。とにかく自由などろだんごづくり、失敗しても何回もチャレンジして作れるのが子どもにとって意欲を駆り立てます。

 

泥だんご

何年も持ち続けるどろだんご

作った時はピカピカだったのに、光り具合がくすんできたり、何日か経つとひび割れが出来たりすることがあります。それは充分水分をとれなかったからです。丸い球形の表面は磨いたりこすったりして水分はとれているのですが、球形の中の水分は抜けていなかったということだと思います。中の水分も抜けたら何年も持ちます。35年ぐらい前から作っていますが、その頃は残しておくということをしなかったのでありませんが、20年以上前のどろだんごは、今も光っています。思えば貴重などろだんごです(笑)。

 

光るどろだんご

さら粉について

誰が名付けたのか保育業界ではさら粉といっていますが、細かな土をまぶしても落ちますが、まだ水分が飛んでいないならば、さら粉でほこりのようなコンクリートの上を手のひらでこすると手のひらに粉末が付きます。その粉をどろだんごにこすりつけるのです。さら粉をまぶしても落ちて付かないから、手のひらで粉末をこすりつけます。私は、炭をコンクリートの上でこすり、そこにできた炭の粉をこすりつけたりします。昔から伝統工芸で炭は磨くのに使われていました。子どもたちも石を粉にしたり、レンガを粉にして試してみたりと創意工夫ができるどろだんごづくりです。

 

小判型のどろだんご

度どろだんごの形は球形ですが、おにぎり型にしてもできます。また小判型もできますが、これはちょっと難しいですね。でも、ゆっくりすれば光る小判型ができます。形も球形でなくてもいいのではないでしょうか。いろんな形を作って楽しく遊ぶのも意欲を駆り立てるものです。

 

どろだんごを焼けばどうなる

保育士時代、保護者から、土の粉塵を吸うと体に良くないといわれました。確かにそうですね。その方は陶芸をされているのでわかるのでしょう。私ができたどろだんごを持っていると、一回窯で焼いてみましょうかと言われて、それはありがたい。一つ返事でお願いしますと言って、2日後持ってきてくださり、驚いたことに赤色になっていました。陶芸されている保護者が赤くなるのは鉄分が多いからですと言われ、どろだんごの表面はボロボロに割れていて、やはり、空気が入っているんだなと感じました。そのどろだんごは、もう触られて、触られて残っていません。ああ、置いておけばと思う今日この頃でごんざります。